ゲームプロデューサー中村たいら様インタビュー

バンダイナムコフィルムワークス様インタビュー写真

2004年、6帖ほどの小さなオフィスから始まった当社。紆余曲折ありながらもお客様とメンバーに恵まれ、おかげさまで20周年を迎えることができました。
さらに今年は創業者である橋満が会長に、共同創業役員だった小川が社長に就任。私たちにとって節目となる年ということもあり、新社長・小川とお取引様とのインタビュー対談を実施させていただくことになりました。
今回お話を伺ったのは、ゲームプロデューサー・中村 たいら様です。RRJとの仕事や、RRJへの印象などについてお伺いしました。

ゲームプロデューサー 中村 たいら様

2003年、新卒でセガに入社。スポーツゲームの開発に携わった後、バンダイに転職。初のプロデュースタイトル「プロ野球オーナーズリーグ」が大ヒット。
その後再びセガに入社し、「共闘ことばRPG コトダマン」、「モンスターギア」など多数のヒットタイトルをプロデュース。

RRJとの思い出のプロジェクトについて

中村:私がRRJさんと出会ったのは、15年ほど前のことですよね。カードバトルオンラインゲームの基幹システム開発などから一緒に仕事をするようになったと記憶しています。最近はご一緒する機会は減りましたが、当時は数々のプロジェクトを一緒に作り上げてきた思い出があります。

小川:単刀直入に伺いますが、RRJの好きなところはありますか?

中村:絶対に逃げ出さずにやりきる責任感、信頼感ですね。そこが圧倒的に他社とは違うという印象です。

小川:当時はまだ創業したばかりで小さい会社ということもありましたし、とにかく断らないという姿勢でがむしゃらに取り組んでいました。

中村:「絶対に何とかしてくれる」という安心感や信頼感が、RRJさんにはありました。色々なプロジェクトを手掛けた中で一番印象に残っているのは、プロ野球カードを使ったオンラインカードゲーム「オーナーズリーグ」です。今考えると、選手カードのシリアルコードやQRコードを管理するシステムというのは、NFTの先駆けのようなシステムでしたよね。またブラウザゲームだったのでFlashで作られていたのも衝撃的でした。

小川:当時は社内にデザイナーが1名しかおらず、外部委託のデザイナー2名あわせて3名で社内コンペをしながら形にしていったんですよね。デザイナー全員が野球に詳しくなかったので、野球の説明を交えながら、試行錯誤しながら作り上げた思い出があります。

中村:そんな裏話があったんですね!それであんなに売れたのはすごい(笑)。感慨深いですね。

小川:オーナーズリーグの開発で今でも覚えているのが、中村さんのゲームエンジンに対するこだわりです。「野球の試合結果を確率的に出すのではなく、裏のロジックをしっかり作るべきだ」と熱弁されていたのを未だに覚えています。開発側としては確率で出すのでそこまで変わらないし、工数が少ないほうがいいのでは?と思いましたが、そこが結果的に効いて、大ヒット作品になったと思うんですよね。

中村:長期で運用していくと、各選手の色々なスキルが全部同じになってしまうので、その算出方法はしっかりしていたほうがいい。それに関しては、今も当時と同じ選択をすると思います。

小川:それがすごく自分の印象に残っていますね。なるほどな、と。

中村:良いこと言うな、当時の俺(笑)。

小川:(笑)。あと、未だに覚えていることと言えば、リリースの3週間前くらいに「携帯版があった方が盛り上がるんじゃない?」という話が出たことです。当時はスマホが普及し始めた頃。PCだけでなく出先でも試合が見られるようにしたいと、急ピッチでガラケー版とスマホ版のスコアボードを作ったんです。

中村:本当にそういうところなんですよね、RRJさんの好きなところって。「できません」じゃなくて「やります」と言ってくれるところが。あれはリロードすると回が進みスコアボードが更新されるものでしたよね。本当に小さな画面で情報量もないですし、画像もたくさん出せないので、スコアボードだけが更新される仕様でした。それと同時中継の機能にもこだわった思い出があります。工数的に意味がありますか?と言われたこともありましたが、ユーザーからも好評でしたし、あれもこだわって良かったですよね。

RRJに期待すること

小川:今思い出しても、中村さんとは本当に色んな思い出がありますよね。それだけ濃い時間だったのかなと思います。最後に、RRJへのさらなるご期待があればお伺いさせてください。

中村:とにかく儲かってほしいですね。RRJさんは責任感もあってすごく頑張る人たちの集団だと思うので、報われてほしいなと。みんなが豊かに健やかに、そのためには規模を拡大したほうがいいのかもしれませんが、ただそれによって今までのマインドや大切にしてきた価値観が薄れてしまうのはすごく嫌だから、そのバランスが難しいだろうなと思いつつ…。

小川:そうなんですよね。でも中村さんから見て、儲かりすぎる会社も嫌じゃないですか(笑)?

中村:難しいところですよね。ただ言えるのは、あまりに費用が安すぎる会社は怖いな、と。特にゲーム開発においては費用を抑えすぎた結果、全く動かないという経験が何度もあるんですよ。だから私は安心してお任せできる会社に頼むということが大事だと思っていて、自分の中で納得がいく企画と開発スタッフが用意できるまではプロジェクトを進めないようにしています。

小川:なるほど。

中村:さきほど伝えたRRJさんの好きなところにも通じるかもしれませんが、いやらしさがないというところもRRJさんの魅力なんです。失礼な話ですが、商売下手みたいな感じもあって、でもそこが逆にすごく信頼できるところにつながっている気がします。

小川:ありがとうございます。身の丈にあった提案を心掛けているので嬉しいです。本当にオーナーズリーグの開発経験は貴重で、リアルとデジタルを連動させた企画でしたし、当時の開発も今の糧になっているので、改めてお礼を申し上げたいと思っています。

中村:私もオーナーズリーグのおかげで今のキャリアがあります。自分の人生を振り返っても、かなり大きなターニングポイントになりました。それはRRJさんと一緒でなければ作れなかったと思いますし、こちらこそ本当に感謝ですね。RRJさんは私の人生に欠かせないというか、人生史に欠かせない方たちです。私が自伝を出すときはぜひ出ていただきたいくらいです(笑)。

小川:(笑)

中村:また面白いモノを作りたいですね。アイデアが思いついたら、またぜひ一緒にタッグを組ませてください!

小川: RRJも中村さんのアイデアを形にする一端を担えたら嬉しいです。この度はインタビューにお答えいただきありがとうございました。
あと最後に弊社の方からも中村さんにお礼を言わせてください。しばらく間は空いてしまいましたが、オーナーズリーグは本当に新しい試みが多く刺激的なプロジェクトでした。あの経験を糧に今もお仕事ができていると思っております。本当にありがとうございました。これからも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。

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